バッハ・リュート組曲

バッハ・リュート組曲

J.S.BACH Complete Lute Suites

FMC-5044

ギター
西垣正信
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収録曲

リュート組曲第1番
Suite No.1(BWV.996)1-7
リュート組曲第2番
Suite No.2(BWV.997)8-12
リュート組曲第3番
Suite No.3(BWV.995)13-19
リュート組曲第4番
Suite No.4(BWV.1000a)20-25

演奏家

西垣正信(ギター)
1971年フランス国立ニース音楽院を1位を得て卒業。
1972年オペラ座での管弦楽団との「アランフェス協奏曲」の演奏とリサイタルにたいしてニース市音楽大賞を与えられた。
フランス、イタリアなどで多くのリサイタルを行う。
著作には「小組曲」(ロンドンユナイテッド社刊)、バッハ「ゴールドベルグ協奏曲」、シューベルト「冬の旅」、「アルペジオーネソナタ」(現代ギター社刊)他などがある。
ヨーロッパをはじめ毎年各地で多くのコンサートを持ち、2000年7月はイギリス、フランス各地に「バッハ没後250年記念リュート組曲全曲コンサート」に招聘された。
2001年3月、フランス各地に招聘され、リサイタルとマスタークラスを開催。
東京フランス大使館主催コンサート。
2002年ヨークサンジョンカレッジの委嘱により、「新古今和歌集によるモノドラマ」を作曲、イギリス国立古楽センターで初演。
2001年作品「石の庭」がフランス ビラロボス コンクールの課題曲となっている。
録音CD、LPには「恋の鴬」「19世紀のギター音楽」(以上ファウエム)、「バッハ、スカルラッティ」他がリリースされている。
1986年よりスペイン政府主催マリアカナルス国際音楽コンクール審査員。

評論

「レコード芸術」準推薦 濱田滋郎氏 評より
西垣正信は貴重なヴェテラン・ギタリストの一人で、1971年にフランスのニース音楽院を卒業、翌72年には、当時の日本人奏者としてはめずらしく、同市歌劇場オーケストラと、<アランフェスの協奏曲>を弾いたりした。
作曲・編曲の面にもユニークな業績を積んできた人だが、ここでは、バッハのいわゆる<リュート組曲>4篇を、独自のギター用編曲により、1830年製のルイ・パノルモ製ギターを使って弾くという試みを世に問うている。
言うまでもなく、バロック期の楽曲を古典期のギターによって弾くことには何らの“学問的根拠”もないわけだが、彼はあえて、みずからの“美学的根拠”にもとづいて、そうしているのである。
ガット弦を使用し、音律はバッハが親しんだであろうヴェルクマイスター式に近づけるため、「各弦の長さを変え、不規則な曲線フレットを」用いたと、演奏者自身がブックレット内の解題に記している。
編曲は、ふだんギターではイ短調とされるBWV997の組曲(オリジナルはハ短調)をあえてホ短調で弾くなど、注目すべき創意をあからさまにしたもので、演奏にも、傾倒の深さは現れている。
いろいろと示唆に富む仕事として、国際的に話題を呼んでもおかしくないアルバムである。
「レコード芸術」準推薦 濱田三彦氏 評より
奏者独自の考えにもとづいた新鮮なバッハの音楽である。
みずから筆をとる解説もまことに興味あるものだ。
特にこの<組曲>2番BWV997を、他では聴けないホ短調で弾くにいたる説は注目に値しよう。
オリジナルの19世紀ギター(1830 年製のパノルモ)にガット弦を張って鳴らすバッハというだけでも大変に珍しいものだ。
19世紀ギターでバッハのリュート曲を弾く必然性は、と問う人もあろうが、あのコストは当時のギターでバロック・ギターのド・ヴィゼの作品を編曲、演奏した。
その延長線上の仕事と思えばよい。
こういう方向に研究を進めるギタリストもいるということを知らしむべく、研究好きの人々にはぜひすすめたい一枚である。
「CDジャーナル」 田中 明氏 評
1830年製のルイ・パノルモ・ギターを使用。
弦はもちろんガット弦、音律はバロティ改と、音色等に細心の配慮をして録音に臨んでる。
音は、指頭での奏法のように柔らかく繊細で、各音域での微妙な音色の差も美しい。
演奏は慈しむような優しさにあふれたものだ。