かごかき

岡田征士郎

FMC-5039

バリトン
岡田征士郎
ピアノ
江頭義之

¥3,080 (税込)

収録曲

  1. かごかき
  2. シャンソンコミック 電話
  3. 歌曲集「沙羅」より 鴉(からす)
  4. 野の羊
  5. ちびつぐみ
  6. 歌曲集「ひぐらしのうた」より 君が欲しい
  7. 新年の声
  8. 歌曲集「永遠なるもの」より 鯉を彫る
  9. 初恋
  10. 「マチネ・ポエティクによる四つの歌曲」より さくら横ちょう
  11. 「五つの断章」より 舟唄
  12. 馬車の中で
  13. しぐれに寄する抒情
  14. 落葉松(からまつ)
  15. 鉾をおさめて
  16. 城ヶ島の雨
  17. かやの木山
  18. 出船
  19. 富士山見たら
  20. 椰子の実
  21. 荒城の月

演奏家

岡田征士郎(バリトン)
1940年、大阪生まれ。
安則雄馬氏に師事、大阪学芸大学特設音楽課程卒業、同大学で浦山弘三氏に師事する。
卒業後、大阪府立高等学校音楽科教師として教壇に立つ傍ら、演奏活動を行い、現在は姫路学院女子短期大学教授、神戸市在住。
1940年、関西二期会公演第1回室内オペラの林光=「甘んじゃくとうりこひめ」に“じっさ”で出演。
その後、「フィガロの結婚」のバルトロ及びフィガロ、「ラ・ボエーム」のコリーネ、「ヘンゼルとグレーテル」のペーター等、男性低声歌手の役柄で数多く出演。
兵庫県から派遣されて、1988年に西オーストラリア・パースで、1989年にはアメリカ・シアトルで、近藤圭=「芦屋乙女の詩」の“ちぬの壮士”を歌う。
殊に、1991年、中村茂隆=「ひとりオペラ・のこした影」を神戸で初演、「日本語の明晰な歌いと演奏演技の演出は、洵に卓越したもの」と、半どんの会文化賞及川記念奨励賞等を受賞。
又、1993 年、東京にて平成5年度芸術祭参加公演を成し、1997年、「兵庫アートウィーク・イン東京」の公演では、「言い知れぬ感動をもたらした」と、音楽の友誌が記している。
歌曲演奏の面では、ドイツリートと日本歌曲の他に、ムソルクスキー等、ロシア歌曲もレパートリーに持ち、1977年のリサイタルで、大阪文化祭賞を、1978年には、その前年度の優れた演奏に与えられるクリティック・クラブ奨励賞を受ける。
この後、自編の歌曲集「永遠なるもの」や、「ひぐらしの歌」を、地元兵庫県の作曲家に委嘱し、岡田征士郎独唱会で発表する。
又、シューベルト=「冬の旅」、「白鳥の歌」でのリサイタルも行い、1994年には、日本シューベルト協会より派遣され、韓国シューベルト協会の演奏会に客演。
阪神淡路大震災後“震災歌曲”が生まれ、中西覚=「イモトのおっちゃん」「四丁目のまさ」を大阪、東京等、各地で演奏。
これらの曲を1999年1月にリリースされたCD「ぐっどもうにんぐ」(FMC-5035)に収録している。
江頭義之(ピアノ)
京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専修を首席卒業以来、度々リサイタルを開催。
NHK洋楽オーディション合格。
NHK-FM「午後のリサイタル」等に出演。
京都音楽協会賞、田中賞、大阪文化祭奨励賞を受賞。
大阪フィル、関西フィル等と協奏曲を共演。
室内楽に於いては、ピアノ三重奏団「パトストリオ」を結成主宰。
園田高広、松野稀一、辛島輝治、元浜綏子の各氏に師事。
稲垣静一氏に和声楽、作曲を師事。
日本演奏連盟 日本ピアノ教育連盟 神戸音楽家協会 西宮音楽協会 各会員
兵庫県音楽活動推進会議に所属。
仁愛女子短期大学講師

評論

「レコード芸術」準推薦 喜多尾道冬氏 評
ここに集められた日本歌曲は、全体はばらばらのようでいながら、通して聴いてみると、歌い手の気質がひとつの統一感で印象づけられもする。
力強い剛毅な声を最大限に駆使して、抒情に傾きがちな日本歌曲が、荒削りだが彫りの深いモノクロの木版画の趣きを与えられている。
抒情の襞をつくす纏綿として心情のなぞりに代わって、スケールの大きな一筆書きの揮毫といった印象もある。《電話》などに、その豪快さがよく出ている。
有名な《城ヶ島の雨》や《荒城の月》も、陰々滅々とした情緒よりは、水墨画的な構成力の気迫で聴かせようとしている。
特筆すべきは江頭義之のピアノ。
岡田征士郎の持ち味をよく理解し、思いきりのよい、スカッとする豪快さで対応している。