関西は東京に次ぐ人口と、関西独自の優れた芸術文化を育ててきましたが、情報の発信元となる出版社(とりわけ音楽産業の出版とレコード会社)は、現在殆どすべてが首都圏に偏っています。
そのため首都圏での音楽情報は、出版社の目にとまりやすく、CDとして全国レベルに配信されるチャンスも多く開かれていると言えましょう。
関西地域にも優れた音楽家と、その演奏活動が展開されていますが、演奏会の一過性とあいまって、その活動を全国に発信するにはこれまで地域的な制約が横たわっていました。
このような現実を乗り越え、CDを中心に楽譜・音楽書などの出版を通して、音楽家の演奏活動を支援し、かつ各地の音楽ファンの皆様に関西発信の優れた文化を広くお届けするために、音楽家自身の自主的な意志により、高い理想の灯をかかげた独自の運営を行っています。
すべて音楽家と音楽関係者により選定された、優れたクラシック音楽の発信
社の構成メンバーは、企画出版CDを審議し諮問する『企画推進委員会』(座長・日下部吉彦:音楽評論家/浦山弘三:大阪音大大学院主任教授/林達次:神戸女学院大学音楽学部学部長/当社代表、の各氏)のメンバーはもとより、全員が演奏家、大学教授など、音楽関係者10名の出資と発起により設立され、正規出版の活動が維持されております。企画に際しては、
- 国際コンクールで上位入賞出来る優れた演奏力を持つアーティスト
- 新進気鋭で、全国展開に耐え得る優れたアーティスト
- 関西で優れた演奏活動の歴史を作っているアーティスト
- きわめてユニークな演奏活動を展開しているアーティスト
- 全国に展開、紹介すべき内容を持つ企画
- 楽壇に対し、新しい方向性を示すことの出来る演奏活動やその企画
以上のいずれかを満たす「優れたアーティスト」と「意義のある企画」を出版の選定基準といたしております。
ブランドマーク
社名ファウエムの語義は、ドイツ語のフェライン(Verrein 仲間、結社)/ムジーク(Musik 音楽)/メディーウム(Mediumメディア、媒体)と言う言葉の、それぞれの頭文字、V(ファウ)とM(エム)に由来します。ファウエムでは、この社名に託された通り、~音楽芸術の一層の発展のために、CDと言う媒体を通じての演奏活動を、より広く展開し、それを支え、推進して行く~と言う理想をレーベル名に掲げ、出版活動を展開しております。
ブランドマークは、デザイナー江崎正和氏によるもので、社の設立の趣旨と理想を示す二つの文字、V(ファウ)とM(エム)が固く結びつき、音楽家の連帯とその演奏活動を天使が守護するデザインで構成されております。
最高水準の録音機材と技術
CDの製作に当たっては、長年の経験を積んだ専門技術者を擁する外部の各社と技術提携を結び、国際基準に優る最高水準の録音機材を投入し、編集作業には当社の関係音楽家も全面的に協力して、より良いCDの完成を支えております。
またプレスは、SONYまたはVICTORのプレス工場と提携し、国際水準規格のプレスを維持しております。
さらに海外展開の窓口として、ドイツ・スコブロネック社と親密な関係を有しており(98年、両社の社長による直接折衝がドイツで行われました)、全米全欧へのプロモーションと海外展開のルートが開かれております。
市場で受ける高い評価
これまで製作してまいりましたCDから『レコード芸術』誌評論で推薦盤、準推薦盤、『ステレオ』誌評論で優秀録音、準優秀録音、に選定されたCDや、ドイツ・スコブロネック社との国際契約が締結されたCD等が次々と輩出しており、これら優れたCD出版の歩みから『CDジャーナル』特集号(1996年6月)では「ファウエムは小さい出版社ながら、すでに世界的なレーベル」と評してご紹介いただくまでになって参りました。
ファウエムではCD製作を通して、演奏家・演奏団体と全国の音楽ファンをつなぐ掛け橋となれるよう、また素晴らしい連帯と展開のお役に立てるよう、そして関西の音楽文化の発展に寄与できることを、関係者一同の念願といたしております。