愛サープライズ

愛 サープライズ

Love Surprise

FMC-5031

カウンター・テノール
岡田 孝
チェンバロ
岡田多美子
¥ 2,940

収録曲

  1. あふれよわが涙
  2. 黒はわがまことの恋人の髪の色
  3. 悲しみよ とどまれ
  4. 涙のパバーヌ
  5. (叙唱)かつてはキューピットの矢の的となって (詠唱)輝く女神への恋に落ち
  6. わが命を奪ってください
  7. われを苦しめたまわず
  8. 私を傷つけるのをやめるか
  9. わが心の魂
  10. 美しき森
  11. シファーチェとの別れ
  12. ああ…ベリンダ
  13. (叙唱)汝の手をベリンダ (詠唱)私が横たえられるとき

演奏者

岡田 孝(カウンターテノール)
幼少よりボーイソプラノとしての専門教育を受け、9歳から日本コロムビアと専属契約を結び数多くのレコーディングを行った。
変声後はテノールとして大阪音楽大学声楽科イ業・同専攻科を修了。
関西二期会オペラスタジオを修了。
その後度々の渡欧を通じてデラー・アカデミーにてA.デラーに学びカウンター・テノールに転向。
フランス各地の音楽祭にも出演し批評家の注目を集めた。
我が国ではブリテン『真夏の夜の夢』(大阪厚生年金会館)のオベロン、ヘンデル『メサイア』(東京カテドラル聖マリア大聖堂)、バーンスタイン『チチェスター詩篇』(大阪フェスティバルホール)、同『ミサ・ブレヴィス』(岡山シンフォニーホール・岩手県民文化会館)、スペインの巨匠L.ミランによる『エル・マエストロ全曲演奏会』(京都都ホテル)に、また各国外交官・皇族ご臨席になるバッハ『マタイ受難曲』演奏会(東京ゆうぽうと)など日本各地から招かれ活躍。
またNHK・FM『バロック音楽の楽しみ~特集・岡田孝の世界~』や3回にわたる『夕べのリサイタル』など、TV・ラジオに出演。
ソリストとして出演した演奏会は大阪文化祭金賞や音楽クリティッククラブ特別賞を受賞。
91年には外務省・国債交流基金の派遣を受け、ドイツ国立マンハイム大学芸術週間、シュパイヤー2000年記念音楽祭、アイゼナッハ音楽祭、チューリンゲン放送特別番組など、ドイツ各地の公演に出演。
これらは「豊かなダイナミックス、稲妻のようなコロラトゥーラのテクニック、上品で細やかな表現力(ラインプファルツ紙)」
「正確なイントネーションと清潔な発音に裏打ちされて、可能性を遺憾なく発揮・・聴衆に例をみない満足感(バーディッシュ・ナッハリヒテン紙)」
「・・オカダの解釈はまさに最高に権威あるものと言わねばならない。無限の成功(ドイツ・マンポスト紙)」
と評されるなど聴衆の熱狂と、国際舞台でのビッグな新聞各紙における絶賛を受けた。
海外公演はドイツ、オーストリア、ロシア、フィンランド、フランスに足跡を残している。
リリースされたCD『アマリリ麗し』(『レコード芸術』誌/推薦盤、『ステレオ』誌/優秀録音盤選定)は海外からも反響を呼び、ドイツ・ズゴブロネック社が欧米へのリリース権買い取り契約を結び、続くCD『 愛・サープライズ』も各誌で高い評価を受けた。
演奏活動以外では、大阪音楽大学・桐朋学園大学・大谷女子大学・相愛大学、また日本シュイクスピア協会・英文学会・日本声楽発声学会、など大学や学会から数多くの特別講座に招かれ出講。
また著したバロック時代の声楽に関する数多くの論文は、グローブ世界音楽事典の重要文献に収載されている。
夙川学院短期大学名誉教授、相愛大学音楽部声楽科・古楽科、国立大学法人奈良教育大学音楽科・同大学院にて指導に当たっている。(H.20年現在)
関西二期会会員。

評論

「レコード芸術」準推薦 皆川達夫氏 評
岡田さんはすでに「アマリリ麗し」という名ディスクを公にされているが、今回第二作として「愛サープライズ」を発表された。
ふつうソプラノによって歌われる《ダイドーとイーニアス》にあえて挑戦している点からも、意欲と自信のほどがうかがわれよう。
劇的な表現意欲にみちみち、ありあまる情熱と思いをこめた名唱である。
かつてのように美声にモノをいわせるというよりは、歌詞と音楽に盛り込まれた情感を的確に歌い上げようという面に重点がおかれている。
趣味よく付加される装飾音の扱いもまことに効果的で、その語り口についつい引き込まれ聴き入ってしまう。
誠実で真摯な歌いぶりは以前とまったく変わっていないが、今回とくに感心させられたのはイギリス古謡の《黒いわが恋人の髪の色》のうまさである。
シットリとしたその味わいは本場のイギリス人による演奏に勝るとも劣らない。
「レコード芸術」準推薦 服部幸三氏 評
カウンターテナーとして長らく研鑽を重ね、キャリアを積んできた岡田孝が丹念に作り上げたCD。
イギリスのリュートソングと古謡からスタートしてイタリアに入るが、そこでは一部の曲で、いわゆる「イタリアン・ソング」の無責任なエディションから原曲の輪郭に復帰するための努力も見られる。
そのあとはイタリアのオペラの大家としてイギリスで活躍したヘンデルを経て、もう一度イギリスに戻り、パーセルの《ディドとエネアス》からカルタゴの女王ディドが侍女のベリンダに語りかけるように歌う二つのアリアで結ぶ。
途中に二曲のチェンバロソロもまじえ、見事な構成だ。
音域の全体にわたってよく磨かれた声、じっくり時間をかけて考えたエクスプレッションやエネルギーの配分など、岡田が自分の個性を確立したCDと言える。